浜田光夫 研究室

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岡 ななみ
   

 青春のお通り 愛して泣いて突っ走れ!

   
    配給:日活

    公開:1966.4.27

    監督:斎藤武市

    脚本:三木克巳

    原作:京都伸夫

    共演:吉永小百合、松原智恵子、浜川智子

    浜田光夫さんの役名:青柳圭太


    ♥ ストーリー
    前作「青春のお通り」のその後―。前作を観ても観なくても楽しめると思います。
    テレビ作家・浪花秀介、女優・浪花ユカリの冷めきった夫婦の豪邸でお手伝いさんをしている桜子(吉永小百合さん)は、親友・(浜川智子さん)とその兄・圭太の住む団地を訪ねる。前作で思いを通じ合わせたはずの圭太だったが、中子(松原智恵子さん)が思わせぶりなことを言い、中子と圭太の仲をすっかり勘違いした桜子は大分の兄のホテルを目指し、船に乗り傷心旅行へと出る。船上で紳士と出会う。兄のホテルで、黒人男性との間にできた赤ちゃんを抱いた姉と会う。「3年後、迎えに来るまでこの子をお願いします。」と置手紙と赤ちゃんを残し姿を消す姉。船上で出会った紳士のもとへ相談に行くと、増築工事の作業に来ていた圭太とばったり会う。誤解も解け、二人は赤ちゃんを連れ大阪へと帰る。
    浪花秀介が突然心臓麻痺で亡くなる。すぐに家を売りに出し、男と出て行くユカリ。契約までの一週間、留守を頼まれた桜子は、圭太、マリアとガレージで寝泊まりする。
    あの紳士が、自分たち夫婦がマリアを引き取り育てたい、よろしければご両親(マリアの祖父母)もご一緒に住みませんか、と提案をしてくれる。相談の上お言葉に甘えることに。
    そんな中、こっそりとマリアの様子を見に来た姉を見つける。影から、マリアの世話をする両親とマリアを見た姉は、絶対に3年後、マリアに顔向けできる母になり迎えに来る約束をして旅立つ。『そうしてくれないと圭太くんと結婚できないんだから!』見送った桜子、圭太の目には涙。


    ♥ 好きなシーン
    ※ストーリーの流れ関係なく浜田光夫さんの出演シーンのみです。一度観た記憶を元にしているため不十分な箇所や私の思い込みな部分があるかと思われます。


    妹の久子(浜川智子さん)は前作に引き続き年上の子持男性と交際をしている。それに猛反対している兄の圭太くん。「15歳も年上なんだぞ!」「子供もいるんだぞ!」「あんなデブ!!」と文句言いまくり(笑)。
    久子も負けじと『だったらお兄ちゃんもチャッカリ(桜子の愛称)と付き合うの辞め!』。ひるむ圭太くんに『困るやろ?』。
    チャイムが鳴る。「出ろよ。」『お兄ちゃん出てよ。』「女の仕事だろ。」『近い人が出ればいいでしょ!』結局圭太くんが出ると、桜子だ。「さくらさん!」
    久子は圭太くんに『チャッカリなんかやめてキドリン(中子の愛称/松原智恵子さん)と結婚しなさい。キドリンは美人だし優しいしお金持ちだし…。この前キドリンの旅館へ行ったとき結婚の約束をしてきたんでしょう?』。それを聞いて、ちょっとどういうこと!?となる桜子。「そんなこと嘘ですよ!」と反論する圭太くん。
    そこに再びチャイムが鳴る。今度は率先して逃げるように玄関に向う圭太くん。訪ねてきたのは中子。
    圭太「来てしもうた…」
    『帰ってけえへんから、迎えに来たんよ。』と言う中子。怒って出て行く桜子。勢いよく玄関を出て、出前のお蕎麦屋さんを突き飛ばす。

    ☆~

    浪花邸から、おしゃれなカツラをかぶり外出する桜子。
    その頃圭太くんは一人パジャマ姿で自宅で食べ物が無いか物色している。チャイムが鳴り、慌てて布団に入り、「どうぞ!」。病人なのね。
    入って来た桜子は寝ている圭太くんの側へ駆け寄る。「さくらさんですね、そうですね♡」嬉しそうでかわいい。
    風邪引いたの?と冷たい手を圭太くんの額に当てる。『手の冷たい人はハートが情熱的って言うでしょう?』と桜子は圭太の手をとる。『あら、熱いわ…!』「物事には例外がありますよ!」『そうね。』
    中子が帰って来る。『おかゆさん作りましょうね。』と圭太に言うが、圭太は嫌そう。この流れ「若い東京の屋根の下」でもあるよね。
    桜子が持ってきたショートケーキを見つけお礼を言う中子。圭太も「ショートケーキ!」と喜ぶが、中子に『お腹痛いんでしょう?治ったら食べましょうね。今日はおかゆさんです。』と取り上げられる。「もうおかゆさんは…」と本当に嫌そうなのがおかしい。
    昨夜は久子が帰ってこなかったと聞き、圭太くんとキドリンと二人っきりだったの?と驚く桜子に、さらに中子は『圭太さんったら、悪い人なのよ…まだ結婚前なのに…』と顔を隠し恥ずかしそうに嘯く。この役楽しそう(笑)
    桜子は勘違いをし中子と圭太にビンタして部屋を飛び出す。今度は避けたお蕎麦屋さんだったが、追いかけて出てきた圭太に突き飛ばされる(笑)

    桜子のカツラを持ちパジャマのまま追いかける圭太くん。必死に弁解をする。さくらさんの為に風邪を引いたんです!昨夜は久子が帰ってこないから外に探しにきてこの噴水のところで寝てしまってお腹が冷えてしまったんです!
    それでも桜子は『キドリンと結婚しなさい』とまだ素直になれない。「しません!」『しなさい!』と何度か言い合ったのち「そんなに言うんやったら結婚します。』と圭太くん。すれ違うよねぇ~。去っていく桜子。圭太くんはカツラを持ったままだと気づき「さくらさん、カツラ!」

    ☆~

    久子は兄・圭太くんに年上彼氏を認めてもらう為、久子、彼、圭太くん、中子を同じ別府行きの船に乗せる。その船には偶然、傷心旅行として兄のホテルに向かう桜子も乗っていた。桜子は船上で一人の紳士・曽根老画伯と出会う。恋人はいないのか問われ、『海に捨てに来たんです!』

    「あんなおっさんを弟だなんて!」と久子の彼を全く認めない圭太。部屋は中子と2人部屋でそわそわしている圭太くん。「ベッドは中子さん使ってください。僕は絨毯でも、外でも、寝なくてもいいんです。」
    『私は覚悟しているのよ。』と言う中子。圭太は外に行ってくる、と部屋から逃げダンスフロアへ。そこで桜子と会う。
    自分のあとを追ってきてくれたと思い機嫌を直した桜子は圭太が泊まってる部屋を見せてよ、と強引に部屋に促す。“青柳夫妻”と書かれた部屋に連れて行くのはまずいので(そのプレートそっと外した(笑))、「変なおっさんと相部屋なんですわ」と言いながら久子の部屋を開ける。するとネグリジェ姿の中子が。また怒って走り去る桜子。中子に「なにもそんなネグリジェで…」と泣きそうな圭太くん(笑)様子を見に来た久子の彼に「おっさん遅いわ!」(笑)圭太くん踏んだり蹴ったりで可哀想(笑)

    ☆~

    中子の旅館で水まきをしている圭太くん。そんなことしなくていいのよ、と中子に止められるが頑なに水まきを続ける。お客さんの中に、大学時代の建築科の先輩・松坂さんを見つける。あとで話を聞いてください、と約束を取り付ける。

    一方、桜子は兄が婿入りしたホテルで、黒人との間に生まれた赤ちゃんを抱いた姉と再会する。その姉が置手紙と共に赤ちゃんを桜子に預けたまま姿を消してしまったからさあ大変!兄夫婦にももうすぐ子供が生まれるし置いて行かれては困る…私が連れて行く!と息巻く桜子だが、老人ホームで静かに暮らす両親には心配をかけたくないし、どうしよう…。曽根老画伯邸に相談をしに行くと、そこで改築工事をしている作業員の中に圭太くんの姿が!大学の先輩に頼んで本業に戻ったらしい。チンパンジーのアテレコ好きだったんだけどなあ(笑)
    君たち知り合いなのかね、と驚く曽根老画伯に、私が海に捨てようと思ってたのはこの人なんですと桜子が教える。曽根老画伯は圭太に『きみはバカだな。』

    赤ちゃん(マリア)を抱く桜子と、ベビーカーを押す圭太。二人は歩きながら話す。
    マリアに『このおじちゃん怖いでちゅからね~』と言いつけてる桜子。おじちゃん扱い(笑)
    『今度こそキドリンのお婿さんになるんやと思ったわ。』「なんでそう意地っ張りなんですか」『圭太くんは軽薄でしょ。』「本当の気持ちを言います!僕は桜さんが好きです!」『ついこのあいだ「船が向うに近づくにつれて、僕が好きなのは君やということがだんだんわかってきたんです。中子さんが優しゅうしてくれればくれるほど、余計、桜さんのことが気になってきて…」言うてたくせに。無意識にウチとキドリンを天秤にかけてたんや。』「桜さんだって天秤にかけてたやないですか。もう意地っ張りはやめて好きなら好きと言ったらどうですか。意地っ張りでヤキモチやきでヒステリーで…」『圭太くんやって!!』
    「僕が本業の建築の仕事に戻れたのは桜さんに失恋したと思ったからなんです。桜さんは僕のことを仕事にも恋にも消極的だとバカにしようがアホにしようが、好きです!好きなもんは好きです!」『そんなに好きやったらなんでキドリンとハネムーンしたの?』「ハネムーンなんか!」
    話している途中にベビーカーに乗せていたマリア。そのベビーカーから手を放してしまっていたらしく、坂道をどんどん下っていく。慌てて止める二人。間に合った…

    ☆~

    浪花邸に戻った桜子。浪花先生が急死してしまう。妻のユカリは早々に豪邸を売ることにし、男と出て行ってしまう。
    桜子は軽自動車をうまいこと手に入れる。それがちょっとオンボロで、おまけに桜子の運転も少々乱暴。
    浪花邸が売れるまでの留守番として一週間残ることとなった桜子。駆け付けてくれた圭太くんがマリアをお守りしている。これがすこぶるかわいい。ユカリが出て行くとき、抱っこしたマリアの手を振って「バイバイ~!」ってやっていたり、座っているマリアに自分も屈んでキューピーであやしたり、桜子が言ったことに「そんなことないでちゅよね~」とマリアに話しかけたり!!!浜田光夫さん×赤ちゃん♡という新たな萌え要素を発見して今まで味わったことの無い感情が芽生えた私。幸せの極み。平和に感謝するような、そんな気分(笑)

    しんみり『人間てあっけないなぁ。ベーゼ(キス)くらい許してあげればよかった。』と言う桜子に「桜さん!!!」と焦る圭太くん。圭太くんにはいくら亡くなる人にでも桜子は譲れないよね。かわいい。

    夜、圭太くんが着替えていると、『絶対に一線は越えない!(間にいる)マリアを越えちゃアカン!』と釘を刺す桜子。
    「自信ありません…」『でもキドリンの時は耐えられたやないの?』「中子さんと桜さんでは僕にとって魅力が全然違います…」ちょっと喜ぶ桜子だが『アカン!』と断固拒否。タンクトップ姿のまま悲しそうな圭太くんかわいすぎる。私なら耐えられない(笑)
    しかし逆に眠れない桜子と、おもいっきり眠ってる圭太くん(笑)

    一週間が経ち、浪花邸での寝泊まりも最終日。車で銭湯に行き、湯上りに一杯。
    一週間のおあずけは辛かったと言う圭太くん。ごめんなさい、と謝る桜子。『楽しみにしてるよ!』…爽やかすぎて信じられない。

    曽根老画伯邸に、今後のことを相談しに行くと、曽根夫妻は、この屋敷でマリアを育てさせてくれないかと提案をしてくれる。さらに、老人ホームにいる桜子の両親も引き取り、マリアちゃんを育ててもらうというのはどうだろう、というのだ。両親と相談をしたうえ、お言葉に甘えることに。
    そんな中、桜子と圭太は付近で姉の姿を見つける。何をしてるの、おねえちゃんのせいで散々苦労してようやく落ち着いたところに何しに来たの、と問いただす桜子。どうしても一目マリアの元気な姿が見たかったと言うお姉ちゃん。影からそっと、両親に可愛がられているマリアの姿を見つめる。今はまだマリアの前に堂々と顔向けできる母親じゃないけど、必ず3年後に帰って来ると約束をして、駅から旅立つ。
    『絶対戻ってきてね!圭太くんと結婚できないんだから!』と叫ぶ桜子に、声が大きいよ、と慌てる圭太くん。その目には涙が。『泣いてるの?』「目から汗が出たんや。目汗や。さくらさんやて!』

    車に乗り込む。助手席に座った圭太くん「お願いだから運転上手くなってくれよ」『あら、また泣いてるの?』「これは冷や汗や!出発どうぞ!!!」

    すごい!まさに、“愛して泣いて突っ走れ!”なラストシーン!

    ~終~



    テンポが速いため記録が曖昧でかなり私の捏造が入っていると思う。特に会話文。ご了承ください。

    1作目「青春のお通り」が本当に本当に大好きなので、その作品の続編ということで期待値が上がりまくり、実際見てみたら期待外れ……なんてことになるのではないかと懸念していたのですが、全く以って要らぬ心配でした。上がりまくった期待値のそのまた上を軽々と越えて行きました。

    続編なのに、前作関係ないの???とがっかりすることもたまにありますが、この作品はしっかり前回の流れを汲んでいるのでそのがっかり感はありません。


    ちょっとぼーっとしているところもあり頼りなさげだけれど、実は固い意志があり、桜子一途!!
    何度も何度もすれ違って勘違いして、それでも見ていてヤキモキしないのね。細部の細工がおもしろくって。あてつけのように余計なことばかり言う中子も、いちいち振り回される圭太くんも、ぽろっと言う一言だったり仕草がおかしくて笑っちゃう。普段名画座で観てても観客の皆さんが笑うところと私がおもしろいと思うところは絶対にズレるけれど、これに関しては一緒になって笑っていた。

    圭太くん、1作目の“うだつの上がらないチンパンジー”も好きだったけど、実は建築科出てて本業は建築作業員なんて新展開もあり。

    同じ部屋で寝てもおあずけされるという悲しき状況に陥る圭太くんですが、まだベーゼ(キス)すらしていないふたり。嗚呼、プラトニック万歳!

    今回の話の主軸であるマリアちゃん。赤ちゃんと接する浜田光夫さんというなんとも萌える状況が見られて幸せの極み。

    それらいろいろなことを踏まえ、DVD及びBD化が絶対に必要である映画だと確信。強く熱望いたします!

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