浜田光夫 研究室

浜田光夫さんファンによる

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管理人
岡 ななみ
   

 赤い蕾と白い花

   
    配給:日活

    公開:1962.6.10

    監督:西河克己

    脚本:池田一朗

    共演:吉永小百合、金子信雄、高峰三枝子

    浜田光夫さんの役名:三輪重夫

    ♥ ストーリー
    重夫(浜田光夫さん)ととみ子(吉永小百合さん)は高校三年の同級生。重夫は父子家庭。とみ子は母子家庭。親同士を交際させようと企てる。


    ♥ 好きなシーン
    原作は石坂洋次郎さんの「寒い朝」。公開が6月ということで急遽タイトル変更されたそうです。
    どんな胸キュン映画よりも萌えます。珍しく二人とも裕福な家庭で、特に社会的な問題も抱えていないので気楽に鑑賞できます。
    ラストの金子信雄さんのセリフにもあるように、「我々にできるのはせいぜい羨ましがることくらいでしょう・・・」それに尽きます。



    トミー(とみ子)にあげるんだ!と子犬を抱える重夫さん。浜田光夫さん×犬、という萌え!しかもパジャマという萌え!

    お父さん(金子信雄さん)は医者。浜田光夫さんが普通の、いやむしろ裕福な家庭の息子だなんて!
    いつも悪の親玉とかギャングのイメージの金子信雄さんが優しいお父さんというのも新鮮です!!!

    「さあ、駅だ!ちょっと辛抱しろよな!」とボストンバックの中に子犬を入れ、電車に乗る。
    隣のご婦人の買い物バッグのお魚をぺろぺろする子犬。それに気付き焦る重夫さんのかわいさたるや…。


    ☆+.°


    子犬を連れてトミーの家へ。こちらも田園調布でお母さん(高峰三枝子さん)は服飾学校を開いている裕福な家庭。お母さんの「よろしかったら一緒にお食事でも」のお言葉に甘え、ちゃっかり朝食までごちそうになろうとする重夫さん。うまそうだなぁ~という表情が可愛すぎます。

    「いらないわよ、ママ!重夫さんお食事してきたばかりなんだわ。なんならコーヒーくらいにしたら、重夫さん。」
    「うん。僕、朝食は食べてきたんだけど、無理に勧められればもういっぺん食べてもいいな。」
    「図々しい!ママ、勧めるんじゃなかったのに!」
    良いよね、この感じ。気の強いパリパリッの現代娘(当時の雑誌の表現)と能天気な少年。

    「この犬、何て名前?」
    「まだ無いよ。」
    「じゃあ今まで犬、犬って呼んでたの?」
    「まさか!ちゃーんと名前呼んでたよ!えへへ、へへっ。」
    「まぁ!なにがえへへ、よ!」
    「僕ね、考えるの面倒くさいしちょっとのあいだだろうと思って、トミーって呼んでたんだよ。へへっ。」
    「まぁ、ひどい!人の名前犬につけたりして!」
    へへっ、って笑い方が可愛すぎるんですよ。

    「さっそく名前をつけなきゃなんだけど、何てしようかな。面倒の無いように重夫って付けてやろ!」
    「よせよ!」
    「いいじゃないの!」
    ほんとおもしろい。結局、タロウになったみたいですよ。

    ☆+.°

    学校へ向かいながら、お互いの親はどうして再婚しなかったんだろうってお話。
    「重夫さんもお父さんの遺伝で、奥さんには頭の上がらないタイプね。」
    「バカにすんないっ!なんだい女なんかっ!」
    (重夫のおでこを小突き)「古い威張り方してるわ。じゃあ駅のホームまで競走してみましょうか。」
    「へへっ。まあ無駄なことはおやめになった方が。」
    (グーでパンチ)「言ったわね!」

    学校に到着。トミーの勝ち。「どう、参った?」
    「冗談言うな。手加減したんだよ。」
    さっき駅のホームまで競走してたのに、駅から学校までも競走したのかな(笑)

    私のママとあなたのパパを交際させてはどうかしら、とトミー。
    「だけど、近頃の子供は楽じゃねえな!親の面倒まで見てやらなくちゃならねえんだからな!」

    ☆+.°


    早速放課後重夫さん宅へ。犬小屋でたい焼きを食べる重夫とトミー。気分が変わって良いそうですよ(笑)。親父に見つかると怒られる、と言いつつあっさり見つかる(笑)。

    トミーも夕飯食べて行くことになりお母さんに電話。その様子を横でじーっと見ている重夫さん。見すぎww

    「まったくお前ってやつはベラベラとよく喋るやつだなァ」

    ☆+.°

    ママが風邪をひき、診に来てもらえないかと電話をするトミー。電話口のお父さんを重夫さんと勘違いしてしゃべりまくる。ヤブとかタケノコとか本人に…(笑)。
    慌ててお父さんは重夫と代わる。
    『あなた弁護してよ。トミーって子はね、本当はね、時々悪い口を利くけどね、本当はね…』
    「うん、あははは!(お父さんに)トミーのやつ口は悪いけど根は上品で優しさに満ち溢れてるって、お父さんにそう言ってくれってさ!」
    父「まあまあ信用しておくと、そう言ってくれ。」
    「親父がまあまあ信用しておこうってさ。この“まあまあ”ってところの含みをよーく読み取ってくれよな!」(ウインク)

    電話の向こうのトミーとお父さんの仲介をする演技が巧すぎる。こういう自然すぎる演技に注目してもらいたい。写真はウインクする重夫さん。意外とレアシーン。ウインクはなかなかやらないよ!

    ☆+.°

    古き菩提樹♪


    うぐいす餅

    お父さんお母さんの写真を見て泣いて怒るトミー。喧嘩になり絶交して出ていこうとするのにうぐいす餅もう一個食べる重夫さん。「二度と来ないよ!」とか言いながら食べるんかい!(笑)結局トミーが謝りに来て、仲直り。
    「ママだって勝手にしてるんだから私にだって自由にしていい権利があるわ。こういう場合の親たちへのレジスタンスになるのよ。」家出を決意するトミー。重夫さんはいまいちピンときていないが、黙々と荷造りを進めるトミーに
    「お前、本当に行くのかよ。じゃあ俺もついて行くよ。一人っ子でぬくぬく育ってるトミーには家出した娘にとって現実の社会がどれくらいやばいものかわかんねえんだからな。」や!さ!し!い!
    「なにボサッとしてんのよ!少しは深刻になりなさいよ!」「うん、深刻にね。」

    深刻な面持ちでうぐいす餅食べてるww

    そして一緒に家出するために一度帰宅してお父さんの服を拝借して登場ブカブカなコートが可愛い。実際金子信雄さんのサイズのお洋服着てもそんなに大きくないと思うんだけど(笑)
    「親父の失敬してきたんだよ。深刻だろう?」


    窯飯食べて映画観て、またお腹すいたからカツ丼。お父さんの患者さんの営む旅館へ。面は割れてないからバレないだろう。

    雨の中旅館に着くも少し躊躇するトミーに「どうする?やめよっか!」優男だわ。ほんと優男だわ。「何言ってんのよ!早く入りなさいよ!」と小突かれちゃうけど(笑)。
    仲居さんに「夜中に腹が減るといけないから、握り飯を2人に3個ずつ持ってきてくれないかな。海苔を巻いてね。あ!海苔はちょっとだけ焼いてね!ちょっとだけだよ!」。海苔へのこだわりwwwwwww

    旅館の女将さんが三輪医院の息子だと気が付きお父さんに電話。駆け付けるお父さんとお母さん。

    お父さんが叩き起こすが起きず、「もう食えねえよぉ~」なんてベタな寝言(笑)
    ようやく目覚めて「あれっ、お父さんたちかぁ…何してんの?」ぽやぽやねぼすけ可愛いよ~!

    とりあえず今日は泊まっていきましょうよ、ということになり再び就寝。
    夜中目を覚ます重夫さん。寝ているトミーの布団の方へ静かに近付く。身の危険を感じて、近くにあったハンガーで思いっきり重夫さんを殴るトミー(笑)しかし重夫さんの手にはトミーの分のおにぎり。

    「あんた、おにぎり取りに来たの?私の寝床に来たのかと思って…。」
    「えっ???」
    「誰だってそう思うわよ!」
    「見ろよ!コブができてるよ!俺、どんなことがあってもトミーをお嫁になんかもらわないからな!しょっちゅうコブだらけにされちゃたまらないからな!」
    「私だってあなたのところなんか絶対行かないわ!しょっちゅう真夜中におにぎり作らされたらたまらないわ!」
    「ちぇ!勝手な屁理屈言ってらあ。」
    普通そう思うよね!無防備に寝ている彼女よりもおにぎりって(笑)可愛すぎる。

    翌朝、お父さんにたんこぶを指摘される。ごまかすトミー。そんなトミーを見る視線が。秀逸。


    ☆+.°

    二人で登校。
    「コブ痛い?」
    「ああ、痛ぇよ。」
    「何かお詫びしなきゃと思ってるんだけど。」
    「たい焼き10個か!?」
    「そんなんじゃないわ。今度のことはいろいろ複雑だったし、もっと心のこもったお礼をしようと思ってるのよ。」
    「なんだか気味悪いな(笑)」
    小さいころママが痛いところにキスのおまじないをしてくれたお話。
    「バカだなぁ!ぷっと吹いたくらいで傷口が治るもんかよ!」
    「あなたひねくれてるわ!せっかく親切でしてあげようっていうのに。」
    「そうか?じゃあやってみな。」
    おでこにキスしてくれるトミー。
    「治ったでしょ?」
    「どうだかわかんないよ。」

    ほっぺが痛いと言い出すトミー。
    「あなたおまじないで治してくれないかな~。」
    「俺が!?俺がか!?」
    「あなた臆病なのね!人道主義的な行いじゃありませんか?」
    「俺、そういう人道主義は苦手だよ。」
    「じゃあいいわ!痛くってきっと死んじゃうわ!痛い痛い!」
    「じゃあおまじないしてやるよ!」
    ほっぺにキス。
    「ああ、違うわ!痛いのはこっちよ。さぁ!」反対のほっぺを指す。
    重夫さんキスしようとするのに避けるトミー(笑)なにこの可愛すぎる攻防は!!


    そんな二人の様子を見守っていたトミーの母と重夫の父。心配する母に父が一言。「我々に出来るのはせいぜい羨ましがることくらいでしょう。」まさにその通りですな。

    「もう行きましょう!学校遅れるわよ!」
    「うん!」
    「駅まで競走しない?」
    「またかよ!今日は手加減しないぞ!」
    「言ったわね!よーい、ドン!」
    そして走り出す二人。


    「終」




    なにこれ可愛すぎる!! 全体的に、高3とは思えないくらいピュア!!こんな恋愛もう二度とできないから憧れちゃうんだろうなあ。浜田光夫さんも吉永小百合さんも清潔感があるから嫌味なくこなせるんだろうなあ。
    こういう、日常の延長線にあるようななんてことないストーリーもお上手ですよね。

    食いしん坊キャラがとてもおもしろい。
    ①(自宅で朝食/食べるシーンは無し)
    ②トミー家で朝食(パン)
    ③犬小屋でたい焼き
    ④オレンジジュース
    ⑤夕食(親父特製カニクリームコロッケ)
    ⑥トミー家でうぐいす餅
    ⑦(釜飯/食べるシーンは無し)
    ⑧カツ丼
    ⑨おにぎり3つ(+トミーの分も)
    ⑩旅館で朝食(納豆、お味噌汁など和食)
    1本の映画の中でこんなに食べてたよ!!!

    当時の雑誌でよく見かけによらず大食漢だとかいじられてるけど、実際もこんな感じだったのでしょうか?まさかここまでではないか(笑)

    浜田光夫さんって食べてる姿かわいいから良いよねえええ(*´ω`*)♡

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