浜田光夫 研究室

浜田光夫さんファンによる

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管理人
岡 ななみ
   

 君は恋人

   
    配給:日活

    公開:1967.11.3

    監督:斎藤武市

    企画:水の江滝子

    脚本:若井基成

    共演:和泉雅子、清川虹子、林家こん平、克美しげる、舟木一夫、ザ・スパイダース、坂本九、石原裕次郎、小林旭、和田浩治、山内賢、高橋英樹、吉永小百合

    浜田光夫さんの役名:矢代光夫


    ♥ ポスター



    ♥ 台本



    ♥ スチール写真


    ♥ ストーリー
    不慮の事故での大怪我からの復帰第一作品。
    オープンカーで撮影所に颯爽と登場!仲間達に迎い入れられる。撮影セットに行き撮影スタート。映画の中で映画。光夫さんは旋盤工を辞め、石戸興業に入ろうとしている。ある夜、兄貴分と警官に追われ隠れるために路上の似顔絵かきの客のふりをする。そこで初恋の人の顔を描いてもらう。出来上がった似顔絵が吉永小百合さん。ひょんなことから出会うとんかつ屋の娘に和泉雅子さん。雅子さんやお母さんが止めるも、石戸興業に入りたい一心で利用されているとも知らず作戦の実行犯になってしまう。自分が利用されていたことを知り、拠点となっているクラブへ乗り込む。敵はやっつけたがケガで入院。似顔絵を見つける雅子さん。雅子さんに連れられ小百合さんがオルガンを弾く教会を訪れるが、その日行われていた結婚式の花嫁さんが小百合さん。かねてから光夫さんの歌の上手さをレコード会社に推していた雅子さんの計らいでプロデューサーに歌声を披露。契約決定。テレビ番組で坂本九さんと「君は恋人」を歌う。撮影後、雅子さんの手を取り全力で駆け抜ける・・・
    映画の中の映画はこのようなストーリーなのですが、合間に脚本家の攻防など映画の外の話、歌手の方のパフォーマンスなどもあり、盛り沢山です。
    とにかく豪華です。日活の皆様はもちろん、歌謡界からも多数スターがご出演されていて、まさに芸能界オールスター!
    「浜田光夫さん、おかえりなさい!」と、心が温かくなる映画です。


    ♥ 好きなシーン

    オープンカーを運転し颯爽と登場!


    撮影所には浜田光夫さんを待っていた仲間たち。

    山内賢さん、松原智恵子さん、和田浩治さん、梶芽衣子さん、川地民夫さん……スチール写真にもありますね。
    「みんなに負けないようにモリモリやるよ!」と言う浜田光夫さんが爽やか。

    映画の撮影へ。監督役に石原裕次郎さん!
    銀座のセットで撮影スタート!
    映画の中で映画を撮影。二重構造。


    ☆+.°

    とんかつ屋「とん吉」トン坊とぶつかり出前の料理を弁償する羽目に。そこで働く和泉雅子さんと出会う。無銭飲食しようとした山内賢さんも(笑)。山内賢さん、2回目のご登場! !
    お金がないので二人で皿洗い。見習いとして働くことを勧める雅子さんに「いちいちうるせえな。おせっかいだぜ、あんたって女。」浜田光夫さんらしからぬセリフ!ww

    旋盤工を辞めて、石戸組の仲間に入ろうと、こん平さんをアニキと呼び仲良くしている光夫さん。
    いつもたまり場になっているバー「とまり木」へ。今日の仕事は広告(今晩お暇?と書いてある)を駐車してある車に配るというもの。「ちょんちょんちょん、今晩お暇?」とお手本を見せるこん平さんのあとから真似をする光夫さんがおもしろい。

    外へ出て駐車してある車に広告を挟んでいたらパトカーにも挟んでしまい、警官に追われるこん平さんと光夫さん!警官は高橋英樹さんと郷鍈治さん!
    路上の似顔絵描きのお客さんのふりをして難を逃れる……。その絵描きさんが、和田浩治さん!和田浩治さん!2回目のご登場!!!
    「絵描きさん、俺の顔じゃなくて別の顔を描いてくれよ。」
    「あのお巡りの顔でも描くのかい。」
    「冗談じゃねえよ。女の子の顔だ。」
    「どこにいるの?」
    「俺の心の中。」

    「それじゃあ描けないよ。」
    「あんたなら描けるよ。描いてくれよ。えーっと、(見本の似顔絵を指して)頭はこれ、目はこの人、鼻はこれ、口はこれ、顔立ちはあれだ。」
    「モンタージュ似顔絵か。よし、描いてやろう!」と和田浩治さんが描きあげたのは、吉永小百合さんなのです…。


    ☆+.°

    お母さんに工場を辞めて石戸組に入ろうとしていることを問いただされる。
    母「やくざなんて人間のクズだよ。」
    「旋盤工のほうがクズさ。親父を見なよ。一生安い賃金で旋盤回し続けてよ、挙句の果てが交通事故。いいとこなかったじゃねえか。石戸組じゃな、中幹部になりゃバーの経営は任してもらえてよ、ゴルフは出来るし車も持てるし。」
    やくざだけはやめてくれと言う母。
    「やだよ。俺は貧乏で一生終わりたくねえんだ。俺は金を自由に使える身分になりてえんだよ。俺の一生は俺の自由だ。母さんなんかに指図してもらいたくねえや。」
    やさぐれてますねえ。「もっとましな飯ねえのかよ。」とかひどいよ!


    石戸興業、表向きは会社になってるけど、実態はヤクザなんですね……。組長に宍戸錠さん!上層部に近藤宏さんたちいつものギャング。


    ☆+.°

    映画の中の映画の脚本家さんが渡哲也さん。渡さんの妹に伊藤るり子さん。 脚本を変更してくれと電話してくるプロデューサー水の江滝子さん。 嫌がる渡さん。 「私に任せてください」とやり手デスクの浅丘ルリ子さん。 気分転換で訪れたボーリング場ですれ違うプロボーラーに小高雄二さん。


    ☆+.°

    映画に戻り、 旋盤工の時の同僚、舟木一夫さんが公園で光夫さんを待ち伏せて、 「工場へ戻って来いよ。」と諭す。 「一緒に働いていたお前がいなくなって寂しい。」と言う舟木さんに、 「俺は寂しくないぜ。」 ひ、ひどいwww 舟木さんも一曲披露。


    早く仲間に入りたい一心で抗争の実行犯に名乗り出る光夫さん。


    計画実行の日。

    新宿の浄水場跡地で殴り殴られもみくちゃになる。追い詰めたところで専務がトドメの1発。
    アニキだったこん平さんと立場逆転!「光公!」「アニキと呼べ、アニキと。」ww


    ☆+.°

    ショバ代を巡り石戸興業と対立する流したち。
    流しに荒木一郎さん。元祖ジャニーズ。ジャニーズのマネージャーに岡田真澄さん。克美しげるさんも流し。とん吉の隣のお兄ちゃん。

    楽譜を届ける雅子に出くわす。「いい歌じゃないか。」「楽譜が読めるの?」「中学のころ音楽部の女の子と話がしたくて勉強したんだ。」「お話しできたの?」「転校しちまったんだ。これ、誰の曲?」「流しのお兄ちゃんの。」「なあんだ、流しか。」
    「流しで悪かったな。歌ってみろよ。」と、ジャニーズ登場。
    「よし。」と歌い始めるのは『君は恋人』♪

    ジャニーズ「わりかし上手いじゃないか!」
    雅子「わりかしなんか余計よ!上手いわ!お兄ちゃんに紹介してあげる!」
    「結構だよ!あんたって本当お節介な女だな!」まだやさぐれてるのね。

    和泉雅子さんが克美しげるさん経由で、東芝のディレクター葉山良二さんに浜田光夫さんを売り込む。


    ☆+.°

    映画の外の映画。
    ザ・スパイダースが写真撮影中。コショウでいたずらをしている。
    隣からも「はっくしょん!」
    覗いてみるとヨット鉛筆の宣伝写真を撮影中の浜田光夫さん。 「なんだ、いたずらはあんたたちか。ひでえなァ。」
    「映画うまくいってる?」「どんなクライマックス?」との問いに、 浜田光夫さん「耳をすまして!ほら、聞こえてくるだろ?流しの歌が……」


    映画(克美しげるさん流しで歌うシーン)へ、フェードイン……
    光夫さんはまだ暴力団に入りたくて躍起になる。
    石戸組はまだ正式に組員ではない光夫さんを利用して、言うことを聞かない流しの1人、克美しげるさんを刺すことを任命する。
    刺してしまうんですね…。
    戻ったところ、自分が利用されていることを知ってしまう。専務のところへ乗り込む。

    この辺からドタバタ。 「そんなのダメ!」と、自分たちが活躍するよう脚本を変更するよう仕向けてくるスパイダース。 元同僚という設定のスパイダースと一緒に石戸組が集まるクラブへ乗り込んで大暴れ!!

    「話はこうこなくっちゃいけねえや!」


    ☆+.°

    坂本九さんのテレビ番組「九ちゃん!」の公開収録にゲスト出演する光夫さん。
    「今日お招きしたゲストは、災難にもめげず雄々しく立ち上がった、この人です。」
    浜田光夫さん登場。
    「こんにちは。」
    「もうすっかりいいの?」
    「ええ。」
    「ライト眩しくない?」
    「大丈夫です。」
    「もうすっかりいいわけだ。」
    「どうもありがとう。」
    「ところで、映画の方は?」
    「あとラストシーンが残ってるんです。」
    「ラストシーンは大概、印象的なものだね。」
    「これもね、なかなか印象的なんです。じゃあ御覧に入れましょう。どうぞ。」
    と、また映画へ。


    ☆+.°

    教会でピアノを弾く小百合さんのもとで相談する雅子さん。
    怪我して入院した病院の看護婦さんが芦川いづみさん。 お医者さんが二谷英明さん。
    刺しちゃった克美しげるさんも一緒に入院している。警官・高橋英樹さんが事情を聞きにくるが、克美さんの希望で事件にはしないでくれることに。

    「母さん、俺、もう絶対ヤクザなんかに近づかないからね。母ちゃんに逆らったり、マーちゃんに盾突いたりして、ごめんよ。」
    やっともとの心優しい光夫さんに戻ったのね(´;ω;`)ウゥゥ
    いつの間にかマーちゃん呼びになってるし!

    病室で光夫さんの持ち物から、冒頭に似顔絵描き和田浩治さんに描いてもらった心の中の恋人、小百合さんの似顔絵を見つける雅子さん。
    「だあれ、この人。」
    「ああ、僕の恋人さ。前に話したろ。音楽部だった。探してるんだ。」


    教えたら光夫はその人の元へ行ってしまうだろう。教えるか否か迷う雅子。
    「ねえ、光夫さん。」
    「なんだい、マーちゃん。」
    ↑ここ!これ!ものすごぉぉぉぉく、優しいの!

    「私、この方知ってるわ!治ったら案内してあげる! だから早く良くなってね!」
    ちゃんと教えてあげるなんて優しい。 好きな人の好きな人のことなんて、教えたくないだろうに… なんて健気なの……!

    終盤で怪我して入院するくだりも、よくあるかも。病院のベッドで安静にしている姿、度々見る気がするわ。


    ☆+.°

    2人で教会を訪れる。 教会では結婚式が開かれている。 しかし、オルガンを弾いてるのは山本陽子さん。
    なんと花嫁さんが小百合さん。 無言で、教会を離れる2人。

    となりの高台へ。
    光夫さん「ちきしょう。やけに目から汗が出らぁ。」言い訳が可愛すぎるんですけど。
    「大丈夫だよ!俺はこんなことくらいで参りはしないよ!俺、きっとやるぞ!何もかも忘れて、一から出直してやるぞ!そうしなきゃいけないんだ。きっとそうするよ。
    やるぞーーー!俺はやるぞーーー!(大声)」

    雅子さん「私もやるわ!光夫さんを歌手にするまで!」
    光夫さん「ありがとう!!」


    ☆+.°

    東芝のレコーディングスタジオで、歌を披露する光夫さん。

    歌っているのは『旅に出るなら』♪
    ブースの外で、その様子を眺めるプロデューサー小林旭さん。克美しげるさん、葉山良二さん、和泉雅子さんも見守ります。 スタジオのピアニストが中村八大さん。
    「契約して鍛えようじゃないか。」とアキラさん!!


    ☆+.°

    再び 坂本九さんのテレビ番組「九ちゃん!」。
    坂本九さん「チンピラから更生するというストーリーは、怪我から復帰することにかかってるんだ?」なるほどそういうことなのね。
    ニコニコとキラキラな笑顔で坂本九さんに「入院中いろいろ考えていてね、これだけは絶対実現したいということがあるんだ。聞いてくれる?」

    ここの浜田光夫さんの表情!!! 聞いてくれる?って!
    「それはね、ぜひ九ちゃんと歌いたいと思って。」

    そして2人で「君は恋人」を歌う。



    ラストのラスト。 雅子さんと2人で手を繋ぎ、長ーい道を元気いっぱい駆け抜ける……。

    「終」



    たしかにそれぞれに見せ場を作らなくちゃいけないから破茶滅茶なストーリーなのは否めないけど、浜田光夫さん再起第一作にふさわしく豪華キャストで 祝福ムード満点でした。

    もちろんキャストだけではなく、内容も盛り沢山。
    いろんな要素が詰まってる。

    ・貧しい工員
    ・チンピラ
    ・純愛
    ・仲間に励まされる
    ・アクション(強くはない)
    ・歌
    ・周りの人たちのお陰で更生
    ・怪我して入院
    ・親子愛
    ・丘で叫ぶ
    ・全力疾走

    詰め込まれてますね~~。
    浜田光夫さんの映画でよくあるね~っていう設定や展開が。
    意図してのことなのかはわかりませんが。


    冒頭の日活撮影所のシーン、スパイダースとのシーン、坂本九さんとのシーン…。 映画の役ではなく仲間達や友達とニコニコ話す浜田光夫さんが素敵です。

    浜田光夫さんが周囲の方々に愛されていたということが伝わってくる、心温まる作品でした。



    ♥ ロケ地
    君は恋人 ロケ地
    最後の雅子さんと走るシーンで使われたロケ地を探してみました!


    ♥  第20回:浜田光夫さん、おかえりなさい!復帰第一弾映画『君は恋人』
    webサイト歌謡曲リミテッド内で書かせて頂いておりますコラム「夢見るオムライス」でも映画『君は恋人』について書き連ねました。

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