樹の上の草魚
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制作:ワイズ出版
公開:1997年
監督: 石川淳志
脚本:桂千穂
原作:薄井ゆうじ
共演:吉本多香美、西川忠志
浜田光夫さんの役柄:戸ヶ崎和也(池貝のアルバイト先のレンタルビデオ店店長)
♥ ストーリー
高校生の池貝亘(西川忠志)は市議会議員の息子・鳥井山比呂司(吉本多香美)と湖で出会う。湖の草魚を釣ろうとした亘と止めに入った比呂司はもみ合いの末、比呂司が怪我をしてしまう。入院先の病院で、両性具有であることが判明する。
8年後、二人は映画館で再会する。比呂司の家は富を失っていた。比呂司は亘のアルバイト先で一緒に働き始める。8年前病院で働いていた、比呂司の体のことを知っている元看護士の女が現れる。命にかかわる問題である、男性器を失う時が迫っていると言う。
比呂司は比呂美となった。受け入れられない亘の元に看護師が、「比呂美を女にしてあげて、比呂美は今自分の男性器のある病院にいる」と伝え、亘は病院へ向かう。
♥ 管理人的見どころシーン
浜田光夫さんは、アルバイト先のレンタルビデオ店の店長。オネエ口調。
出演シーンは3シーンのみ。
比呂司がレンタルビデオ店でアルバイトを始め、カウンターにいると女性客が「踊る大紐育」のビデオはないか問い合わせてくる。
比呂司が『踊るだいひもいく…』と固まっていると
クルクル回りながらビデオを持って店長登場。「はい!49年MGM制作の大傑作よ~。(比呂司に)あんたね、紐を育てると書いてニューヨークと読むのよ、ニューヨーク!呆れたわ~。」
『スミマセン、映画あんまり興味泣けて。』
「映画館やってたというのに、まったくね~。(女性客に)ねえねえ、アタシね、若いころ、多摩川の撮影所にいたもんだからついぽんぽん言うようになっちゃって。あ、そうそう、サービス券うんっとサービスしちゃうっ♡」
「とりちゃん、早く映画のプロになってよっ!?」軽やかに去って行く。
残された比呂司に亘が『あの店長、異常な映画オタクだから。』
☎ 電話が鳴る。
店長「は~い、ビデオフォーラムです。え?はい。」(比呂司に) 「とりちゃんもやるのね。仕事もろくに出来ないのに、早速女から電話。」
☆~
上の空でバイト業務をする亘に近付き
店長「どうしたの?仕事も手に付かない感じねぇ?気になってしょうがないんでしょう?バイトのとりちゃんの容態!」と小突く。
『まさか…』
「うっふっふっふっふ…あの美少年が好きなら好きとせめて店長のわたしくらいには正直に…」くっついて耳に息を吹きかける(笑)
亘が店長の胸ぐらをつかむ。電話が鳴り、慌てて電話を取りに行く店長。「はい、電話よ。」と電話を亘に渡す。
比呂司が病院からいなくなったと聞き、走り出す。
「いけちゃん!いけちゃんったら!どこ行くのよぉ!!」
☆~
亘がいるレジ前でジャムパンを食べる女性客。
『これがやめられないんだよね。医者からは止められてるんだけどね。』
そこへ店長登場。「あらっ、どこか悪かったの?とてもそうは見えないけど?」
『これでも、胃を切ってるの。1/3残ってるんだけど、なくなった胃がほしがるんだよ。この世にいないのにね。』
池貝と店長にジャムパンを渡す女。
店長「あら。」と受け取る。
女『そうだ、どうしたあの坊や。ほら、あんたの友達のあの子。』
「クビにしてやったわよ。近頃の若い子はどうしようもない。仕事はきっちりやってくれなきゃね。なのに、やれ入院だお見舞いだって勝手に早引きはする、勤務時間はすっぽかす、目上の私に口答えは平気、この間なんか、私を殴ろうといやがった。ホモ同士の惚れた腫れたは映画の中だけで結構よ、まったく。」
また胸ぐらをつかむ池貝。
「何すんのっ!?」
『お世話になりました。』と立ち去る池貝。
「待って!待っていけちゃん!捨てないでぇぇ!」
浜田光夫さんのご出演はここまで。
浜田光夫さんにこんな役やらせる??????????
まさかのオネエ口調にびっくり。それだけ振幅のある俳優さんということですね!!!
この作品に出てくる唯一の笑いどころキャラなのかも。
「多摩川の撮影所にいたのよ」とかぶっ込んできたりね(笑)
鈴木清順さんが、比呂司が男性器を取りに行く病院の医師役で出てきたり、無駄に豪華。 (日活時代にも浜田光夫さんは清順監督作品には出演していないからその点の感動は無いけど)
DVDのキャスト紹介で浜田光夫さんは「本作ではビデオ屋の店長を余裕たっぷりに演じている」と紹介されてました。