浜田光夫 研究室

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岡 ななみ
   

 若草物語

   
    配給:日活

    公開:1964.12.31

    監督:森永健次郎

    脚本:三木克巳

    共演:吉永小百合、芦川いづみ、浅丘ルリ子、和泉雅子、和田浩治、山内賢、杉山俊夫、伊藤雄之助

    浜田光夫さんの役名:矢坂次郎

    ♥ ストーリー
    長女早苗(芦川いづみさん)、次女由紀(浅丘ルリ子さん)、三女しずか(吉永小百合さん)、四女チエコ(和泉雅子さん)の四姉妹を中心としたお正月映画。
    大阪から東京に嫁いだ早苗を頼り家出をしてきた由紀、しずか、チエコ。由紀の幼馴染で現在は東京でカメラマンをしている次郎と再会する。密かに次郎に想いを寄せるしずか。由紀は次郎と交際するが、ブルジョア大学生野沢(和田浩治さん)に言い寄られ、デートを重ねる。仕事が多忙な次郎と由紀はすれ違っていく。そんな中、野沢は由紀を自宅に招きプロポーズをする。悩んだ末、野沢との婚約を選ぶ。由紀の選択を受け入れる次郎。しずかはそんな次郎を激しく責める。由紀と野沢が新婚旅行に出発する日、次郎が2ヶ月東京を離れることを同僚から聞き、しずかは次郎を追いかけるのだった……。


    ♥ 個人的に好きなシーン
    東京へ出てきた三姉妹。空港から長女の住む団地へ送ってくれるのが、大学生なのに高級外車を乗り回してるお坊っちゃん、野沢(和田浩治さん)。

    由紀としずかは百貨店で勤務を始める。帰り道、来日スターにカメラを向ける次郎を見つける。家が近所で由紀の同級生だった次郎とは中学卒業以来の再会。三姉妹の家で夕飯をごちそうになる。
    しずか「次郎さんは東京弁になってしもうたね。」
    次郎「しかしわからなかったなぁ。全然綺麗になって。」(由紀しか見てない)
    由紀「男の人って大きくなるとお世辞も上手になるのね。」
    次郎「お世辞じゃないよ。しずかちゃんは昔のまんまだ。全然変わってない!」
    ひどくない?!小百合さんをこんな扱いする浜田光夫さん珍しいわ。

    この後、アルサロで働き始めたチエコを送りに来たバーテンの健吉(山内賢さん)も加わる。酔ったチエコを見て微笑んでる次郎さんが素敵。タバコ吸ってて大人。


    ☆+.°

    三姉妹、次郎、健吉で、志賀高原でスキー。1人でビリヤードをしているしずか。「あはははは!行かないか、しずかちゃんも。」窓から次郎が話しかける。

    「そうやってると案外色っぽいね。お父さんにやきもち焼いて家出したと聞いたときは子供だなぁ、と思ったけど。」
    「どうせうちは変わってませんからね。」
    「しかし、変わるもんだなぁ~。」
    「変わりませんよ!いやらしい。」
    「由紀さんだよぉ!オシャレになって…。」
    「…さようか。」

    ほんっとひどい。妹に姉のこと褒めるの、やめた方がいいと思うよ。ましてや好きな人にそんなこと言われるの耐えられない。

    結局スキーしに出て行くしずか。次郎に言われたら行くよね。好きなんだもん。
    転んで雪に埋まっていると、次郎が来て「あーあー。どうしたんだよぉ。動くんじゃないよ!今とってやるからね!」と助けてくれます。
    次郎さんずるいんだけど!単に妹としてしか見てないんだろうけど、だからこその優しさなんだろうけど、その優しさ罪だからね!いちいちときめいちゃうんだから!

    一行はまた偶然会った野沢に別荘に誘われる。次郎は近くで起きた列車事故を撮影するため離脱。

    ☆+.°

    父が後妻と喧嘩して東京へやってくる。お父さん子なしずかは父を庇う。父は結局大阪へ帰るが、しずかは家に戻らず次郎の下宿へ。そこへ由紀が来て喧嘩になる。熱海へ仕事に行って家を空けていた次郎も帰ってくる。
    「ただいま!お土産買ってきたよ!おばさんの好きな塩せんべい!」
    下宿のおばさん「なに呑気なこと言ってるんだい!!」

    部屋から降りてきた由紀は次郎にビンタし、そのまま走り去る。しずかを彼女だと思っているおばさんに止められながらも、由紀を追う次郎。由紀を呼ぶ次郎の声を聞きながら部屋で泣いているしずか。次郎さんのばか!


    その一件を同僚の山本(杉山俊夫さん)に話す次郎。

    山本「お前、姉さんの方に惚れてるんだろ。」
    次郎「まあ、そういうわけだよ。」
    山本「照れなくたっていいじゃないかよ。」

    この下唇しまい込む笑い方(説明が下手で申し訳ない)、よくやるよね!かわいすぎるよね!
    しずかに興味を持ち会わせてくれと山本。

    夜、二人で家を訪ねる。由紀に謝りに来たが、由紀は野沢につかまっておりまだ帰っていない。「謝りに来たってことは、次郎さんは由紀姉ちゃんが好きってことになるね」と言うチエコに、「まあそういうことだ。」とはにかむ次郎。しずかは家を飛び出す。追いかけるのは山本だ。
    次郎は帰って来た由紀と話す。ここで付き合うことになるんだね。お互い好き合ってるってわかってたんだろうしね。けっ。

    山本はしずかに会うためにしずかの働く下着売り場に通い、大量に買った下着を同僚に売っている(笑)。
    野沢も由紀の働くカメラ売り場に通っている。月末、友人たちと榛名へ行くから一緒に行こうとお誘い。
    「お前のライバルが来てたぜ」と告げ口する山本。2才も年下のブルジョアの坊やだと相手にしていない様子の由紀。次郎ちゃんがいないなら寂しいから榛名へ行ってもええ?と聞く由紀に、行って来いよ、と次郎。そんな二人を見ていられず、山本をお茶に誘うしずか。次郎さんのばか!

    ☆+.°

    通勤時間、駅のホームで撮影をしている次郎。しずかを見つける。「しずかちゃん!!やあ、おはよう!」
    「大変やね、これ持ってあげる。」「いいよ。」「遠慮せんかてええやないの。」「ばか、遠慮なんかするもんか。」「うち、今日はずっと次郎さんの手伝いするわ。ええやろ?」「え?いいったらいいよ。」
    冷たいよぉ!次郎さん冷たいよぉ!結局手伝います。
    厳しい次郎さん(仕事熱心な人だから仕方ないけど)を必死に手伝う。小百合さんの歌う『若草物語』がバックに流れるのが切ない…。“忘れてしまわないで”って。


    「どうした、参ったろ。だから女なんか無理だって言ったんだよ。一休みしたらもうお帰り。」
    「次郎さんは?」
    「僕?僕はまだこれからだよ。加藤さんが次の現場で待ってんだよ。 じゃ、気をつけてな!いつまでもこんな所にいて変な奴に誘惑されるなよ!しずかちゃん、綺麗になったからな、この頃。」
    「余計なお世話や!」
    走って行く次郎。

    みかんとかお菓子とか抱えて戻ってくる次郎。

    「こんなものしかないけど、食べないかい?どこかでご馳走したかったんだけど、時間がないんだよ。ごめんよ。さんざん怒鳴り散らしたけど、本当は助かったよ。ありがとう。デパート休ませて悪かったな。」
    なになになになに!なにそのツンデレ!その優しさ本当に罪深いわ!それに対するしずかの反応が可愛いこと!笑顔で 「…ううん!」って!!こんな良い子いないよ?気付いてよ!次郎さんのばか!でも好き!
    すみません、取り乱しました。このシーン一番好きなんだ。

    ☆+.°

    次郎さんはご多忙。由紀は榛名から戻り次郎の下宿へ。服も着替えず倒れるように眠る次郎。由紀をベッドに押し倒す。疲れすぎですね。
    近くのレストランに食事に行く。心配する由紀に「自分でもどうして張り切ってるかわからないんだ。たいしたことも出来ないくせに、馬鹿げてるよな。馬鹿馬鹿しいよ。」
    野沢との時間を思い出している由紀。

    公園でリンゴをかじりながら話す。

    「はよ結婚したい。次郎ちゃんと一緒に居たい。」と言う由紀に次郎は「そんなに慌てないでくれよ。今俺は君を大事にできるだけの余裕がないんだ。年がら年中駆けずり回って、年がら年中由紀ちゃんをいじめてるよ!」
    あああーすごく身近な問題だよね。気持ちのタイミングが合わずすれ違っていくのよね。

    しずかは山本のお部屋のお掃除してあげたり、次郎さんを忘れようとしているのね。健気じゃないですか。いつまでも叶わぬ片思いしていてもいけないな、と、自分を好きになってくれる人を好きになる努力をしてみるも、結局忘れられないんだよね…。
    野沢と出掛けるという話をする由紀に、「ええ加減にせんとアカンわ。もっと次郎さんを大切にしてあげて。」と言うしずか。なんでこんなに可愛くて良い子なの。
    由紀は由紀で大変なのね。野沢に招かれた実家ではご両親に紹介され、プロポーズまでされます。そして野沢を避け始めます。

    ボクシング観戦に行く次郎と由紀。「どうしたの?怖いの?」って!近いよ!

    由紀はボクシングじゃなくて違うことが怖いんだよ!次郎さんのばか!

    帰り道、お茶して帰ろうか、と言う次郎だが、由紀は「帰りたくない!次郎ちゃんと一緒に居たい。」と縋る。「どうせ一緒になるんだから、それまで由紀ちゃんを大切にしておくよ。」
    紳士!なんだけど、今はそうじゃないんだよ…。恋愛って難しいね…。

    仕事終わりに、今すぐ会いたいから次郎ちゃんの職場まで行く!と電話する由紀。
    ところが、帰るときに急な仕事が入り急いで現場へ向かう次郎。なんで!?一緒にいてくれる言うたやん!と我儘を言ってしまう由紀。仕事だから仕方ないんだよ!と折れない次郎だが、近くまで送っていくから仕事の車に乗せてくれると言う。乗れよ!と呼ぶが由紀は動こうとしない。やむを得ずおいて行くが最後に「風邪ひくよ!」と叫ぶあたり次郎さんの優しさを感じる。

    1人で歩く由紀のもとに野沢の車が。

    「やっとつかまえた!」
    これ和田浩治さんだから素敵だけど、他の人だったらコワイ(笑)。
    結婚したら住むという家に連れて行かれ、ここでようやく付き合っている人がいるから野沢の気持ちには応えられないと伝える。「やだ!絶対に嫌だ!」と暴れ始める。これも和田浩治さんだから素敵だけど、他の人だったらコワスギル(笑)。

    ☆+.°

    由紀は次郎に野沢と婚約したことを伝える。次郎は黙って聞いている。なんで!?と由紀に詰め寄るしずかを次郎は止める。「よせよ、いいんだよ。」
    そしてそのまま「…さよなら。」と部屋を出る次郎。しずかは次郎を追いかける。
    「なんで怒れへんの!いくじなし!」
    「なんて言えっていうんだよ!…俺だってね、高校の時ボクシングの選手になろうと思ったこともあるんだよ。人を殴りたかったわけじゃない。金がほしかったんだよ。」
    「それがなんやねん!好きやったんやないの!好きやったらなんだってできるやないの!偉そうなことばっかり言うて!うちを子供扱いして!何もでけへんやないの!姉ちゃん1人つかまえておけへんやないの!!!」

    そうだよ!さんざん傷ついて、それでも応援しようとしてたしずかちゃんの気持ち考えなさいよ!なによ!次郎さんのばか!
    …すみません。感情移入しすぎてうざい学級委員みたいになってしまいました(笑)。

    ☆+.°

    羽田空港。新婚旅行に出発する野沢と由紀。山本が、次郎が二ヶ月ほど瀬戸内海の島に仕事をしに行くことを教えてくれる。自分で志願したのだと言う。
    モノレール改札へ走るしずか。山本が止める。「俺のことが好きだったんじゃないのかよ!待てよ!しずかちゃんは俺のものだ!」「うちは誰のものでもありません!」
    そうだよ、一言も好きだなんて言ってないし。
    しずかちゃん、急げ!頑張れ!

    品川駅で発車する電車に次郎を見つける。


    「次郎さん!!!」
    「しずかちゃん!}
    「うちも手伝いに行くわよ。」
    「今度の仕事は辛いぞ!」

    あ、来なくていいって言わなかった!希望が持てる!

    帰宅して急いで荷造りするしずか。早苗とチエコが心配してどうしたのか尋ねる。「次郎さんが好きなんや!待ってるのなんかいやや!」
    早苗は大阪で会えるかもしれないから飛行機で行きなさいとお金をくれる。チエコも貯金箱から寄付。
    空港にしずかを見送りに行った2人は日常へ戻って行く……
    「終」


    きっとようやく次郎さんはしずかちゃんを妹ではなくしずかちゃんとして見るようになると思います。そうでなくちゃ許しません。

    浜田光夫さんがルリ子さんからも小百合さんからも好かれていて、ルリ子さんと付き合って小百合さんに目もくれない、なんて設定が飲み込めないんだよなぁ。ルリ子さんはお姉さんだしなぁ。和田浩治さんが年下っていうのもなぁ。
    四姉妹ものなら「四つの恋の物語」の方が好きだな~と思ってしまう。浜田光夫さんが小百合さんを好きで、結局結ばれるって流れが一番だと思う。

    とにかくしずかに感情移入してしまう為、由紀寄りではない書き方をしてしまうことをお詫び申し上げます。
    私の大好きな浜田光夫さんと付き合っておきながら、私の大好きな和田浩治さんからも言い寄られるなんて、キィィィィ!( `皿´)という醜い乙女心が発動されます(笑)。

    次郎さんばかばか言ってすみませんでした。次郎さんはとても好きなんだけど。仕事熱心で仕事のこととなると厳しいけど心優しいって、すごくいい。浜田光夫さんが演じた社会人の中でも一番と言っていいほど忙しいでしょう。煙草吸いながら電話取る仕草とか、めっきり大人っぽくてね。ああ、浜田光夫さんも大人になっていくのね…と親戚のおばさんのような心境(笑)。



    ♥ロケ地
    若草物語 ロケ地





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