浜田光夫 研究室

浜田光夫さんファンによる

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岡 ななみ
   

 青春のお通り

   
    配給:日活

    公開:1965.7.14

    監督:森永健次郎

    脚本:三木克巳

    共演:吉永小百合、松原智恵子、浜川智子

    浜田光夫さんの役名:青柳圭太

    ♥ ストーリー
    "チャッカリスカヤ"こと桜子(小百合さん)、"ケロリンスカヤ"こと久子(浜川智子さん)、"キドリンスカヤ"こと中子(松原智恵子さん)は短大時代からの親友。桜子はOLを辞めてお手伝いさんに。久子の兄、チンパンジーのアテレコの仕事をしている圭太(浜田光夫さん)とはお互い好き合っているもののはっきりとしない関係だ。ある日、中子は失恋を理由に故郷の松山からやって来て、久子、圭太の住む大阪の団地へ数日身を寄せる。中子と圭太は急接近する。
    桜子のお手伝い先は、脚本家と女優の業界人夫婦。奥さんの付き人として一週間ほど東京へ。夫婦はそれぞれ浮気をしている。理想の存在である姉の元を訪ねるが、夫ではない人との子を身籠っており自殺未遂。そんな周囲の人たちと自分の考えとの違いに困惑。俳優の虎二に告白されるが、自分の圭太への思いに改めて気付く。仕事も終わり大阪へ帰るが、圭太は中子を送りそのまま松山へ行ってしまったという。とにかく貯金に燃える桜子であったが、圭太と再会する・・・


    ♥ 好きなシーン
    桜子は兄夫婦の家で居候していたがやはり居心地が悪く、住込みのお手伝いさんに転職をする。決まるまで数日泊めてもらうため、短大時代からの親友ケロリンの団地へ。
    「えらい早よからいったい何事ですか。」関西弁だぁぁぁぁぁ(*´ω`*)♡
    ケロリンの兄、圭太が台所で何やらおにぎりをたくさんこさえている。ほっぺにご飯粒つけながら(萌え)「いちいち作る手間いらんでしょ。」
    せっかく圭太さんが作ったおにぎりをひとつひとつ開きながら(笑)、お手伝いさんになる話をする桜子。それをひとつひとつ戻しながら、桜さんは使う側の人間だからお手伝いさんって柄じゃありませんよ~と答える圭太。話しながらの動作がおもしろい。かわいそうでかわいい。


    近所のスーパーへ夕食の買い出しに行く。
    いろいろ持たされてるwwほうれん草かな?

    このわたを買う桜子に「けったいなもの好きなんやなぁ。」

    桜子、久子、中子3人で話していて圭太のことを聞かれた桜子は
    「圭太くん好きやけど、チンパンジーの声ばっかりやって月収2万なんぼではなぁ。」言われちゃってますよーーー圭太くん!!!(笑)

    圭太くんはテレビの人形劇でチンパンジー(オス)のアテレコのお仕事をしているのです。

    汽車に乗るカップルのオス、車掌、弁当屋さんの三役をこなしている!!!!めちゃくちゃ巧い!普段からアテレコやってるだろうけど、それにしても巧い!チンパンジーの声色!かわいい!
    このシーン何回も観ちゃうよね(笑)

    お仕事を終え帰宅する。
    桜子が寝ながら食べていたバナナの皮とか付けっぱなしの電気スタンドを片づけてあげていたら中子が目を覚ます。紅茶を入れてくれる中子。

    「中子さんますます綺麗になりはったね。」
    ヤバイヨヤバイヨこんな綺麗なライバルヤバイヨ

    大阪城へ行っても、中子と圭太くんはいい感じです。
    チャッカリのこと好きなんでしょ?と探る中子に「好きは好きやけど、恋愛とか結婚とかそんなムード全くありませんわ。」
    たしかにそうだけど、圭太くんもぽやぽやしててそんなムード全くありませんよ!!(笑)

    桜子の両親が住む老人ホームに4人で会いに行く。
    ご両親にテレビ番組のチンパンジーのアテレコやってると教えたら「あのチンパンジー、圭太はんでっか。」と言われ、
    「ち、違います!声だけです!声!」と必死に説明する圭太さん。

    桜子はお手伝い先の奥さん(女優)が撮影で2週間ほど東京に行くのに付き人としてついて行くことに。久子の勤め先(旅行会社)に新幹線のチケットを買いに行き東京行きを報告すると、「チャッカリがいないあいだにお兄ちゃんとキドリンが大変なことになっても知らんで。」と脅される。

    圭太の団地へ行くと、洗濯をしている。中子のパジャマまで洗ってあげていることにプンプン。中子は洗剤が切れたから買いに行っているだけだ、と圭太。電気洗濯機の番なんか必要ない、と桜子。たしかに(笑)
    「それは俺のパンツ!」


    東京に行ってくることを報告する桜子に「そうですか~」となんとも気のない返事。
    「アテレコ屋、廃業しようかと思います。いつまでもアテレコ屋やっててもうだつ上がりませんし。」
    「それで何するの?」
    「それを今考えてますのや。」
    浪花先生に頼んであげるからドラマに出てみたら?と明るく提案する桜子。
    圭太はシャツのボタンをつけ直そうとする。桜子はそれを奪い付けてあげる。
    「ベーゼ許したげる。」目を瞑る桜子。ベーゼってなんぞや!と思ってググったらフランス語でキスのことなのね。オサレね。
    びっくりする圭太くん。ここかわいい。

    そこへ中子が帰宅。そう簡単にはさせません!(笑)

    桜子は東京へ。撮影の撮影で使われてるの日活撮影所なんですね~。嬉しい。
    そこで知り合った俳優の虎二(杉山俊夫さん)と仲良くなり、告白されますが、圭太のことが頭をよぎります。
    「…チンパンジーばっかりやっててもいいやないの。」
    杉山俊夫さん、こういう役回り多くない?平田大三郎に次いで多いよね。

    撮影も終わり帰りの新幹線。奥さんに、虎二を振ったことを問われます。「虎二くんいい子なのにどうして?」「いい子なんです。優しいしイカスし俺についてこいってところもあるけど、親切にされればされるほど、圭太くんを思い出すんです。」ほうほう。
    ここでも圭太くんのこと「うだつの上がらないチンパンジー」呼ばわり(笑)
    立派な良いお仕事なのにね?すごくたくさんの人に言い寄られても、それでも圭太くんなんだよ。お金じゃないんだよね。

    誰もいない団地。朝、久子は帰ってくる。圭太は中子を送りに一緒に松山まで船に乗った、中子の実家の旅館の若旦那にでもなるんじゃない?と久子。

    金色夜叉になる決意をする桜子。(笑)
    スーパーで値切りまくり買い物をしている。大好物のこのわたも我慢…
    その時、このわたを購入している人が。なんと、圭太くんだ!思わず話しかける。
    「なんでこんなところにいるの?」
    「本当は僕、中子さんの旅館の番頭にでもしてもらおうと思ってたんです。」
    「嘘つきなさい!若旦那やないの。ウチ、ちゃんと知ってますよ。お似合いですわ、キドリンと。」
    話しながら、今度は何でも値切らず買い物をする桜子。ついて行く圭太。 「キドリンは優しいし美人やしお金持ちやし申し分ないやないの。」
    「ありません。」
    「もういっぺん行ってきなさい。」

    「桜さん、僕は君が好きなんです。君が忘れられなんだんです。船が向うに近づくにつれて、僕が好きなのは君やということがだんだんわかってきたんです。中子さんが優しゅうしてくれればくれるほど、余計、桜さんのことが気になってきて…」
    「…ウチと同じや」
    「え?」
    「それで?」
    「そのこと、桜さんにはっきり言おう思って、送りとどけたらすぐ引き返してきたんです。桜さんがまだ東京やったら東京まで訪ねて行くつもりでした。」
    「ほんま?」
    「これ、このわた。お土産にと思って。」
    「いやぁ、おおきに!」


    スーパーでいきなり告白し始めるからお魚屋さん困ってますよ(笑)このお魚屋さんおもしろい。

    二人仲良く相合傘で帰宅。
    「どうぞ♡♡♡」

    「終」


    めでたしめでたし~~~!
    なんて良いお話!圭太くん、アテレコ続けるのかなぁ。
    圭太くんはあまり言い返さないね。でも言うときははっきり言う。仕事への悩みを抱えながらも何事にも一生懸命。人の良さが行動や言動に滲み出ている。ああ、なんて良い人。月収2万でも問題ないよ!
    でも松原智恵子さんとも小百合さんとも良い感じだなんて、贅沢すぎるよ!!!(笑)

    はっきり長尺で好きだと伝えるのは意外と珍しいかもしれない。お互い、他の人の存在によって、相手の大切さに気が付くというね。条件じゃないんですよ。気持ちなんですよ。
    お手伝い先のご夫婦がどちらも浮気をしていてお互いそれを黙認していたり、理想だと思っていた姉が夫ではない人の子供を身籠って自殺未遂したり、その夫も浮気していたり、そんな気配の全くなかった親友は一回り以上年上の子連れ男性と付き合っていたり……、もう、なんなんだろうってなるよなぁ。優しくて頼りがいのある人が自分に好意を持ってくれても、お受けすることは出来なくて気になるのはあの人のことばかり…そうなんだよなぁ。
    明るく清々しいタッチで楽しい作品なんだけどところどころ身近な悩みが盛り込まれていて…。20代には共感できることも多いのではないでしょうか。

    翌年公開の「青春のお通り 愛して泣いて突っ走れ!」も観てみたいなぁ!


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