浜田光夫 研究室

浜田光夫さんファンによる

非公式ファンサイトです。

管理人
岡 ななみ
   

 美しき抵抗

   
    配給:日活

    公開:1960.12.21

    監督:森永健次郎

    脚本:原源一

    原作:中村八朗「木蓮咲く頃」

    共演:香月美奈子、沢阿由美、吉永小百合、北沢彪、高野由美

    浜田光夫さんの役名:三川くん


    ♥ ポスター
     


    ♥ ストーリー
    地位や名声よりも研究第一の大学助授の父(北沢彪さん)、そんな夫を内職のミシンで支える母(高野由美さん)、栄養士として働く長女・智恵子(香月美奈子さん)、製薬会社のタイピストの次女・都紀子(沢阿由美さん)、高校に通いながら速記を学び、人形劇のクラブ活動に参加している三女・久美子(吉永小百合さん)の5人家族。家庭を顧みない頑固者の父と、封建的な母。娘たちはそんな両親に反抗をするが・・・

    浜田光夫さんは、三女・小百合さんの同じ演劇部の級友・三川君役です。


    ♥ 個人的に好きなシーン
    ※ 一度観た記憶を元にしている為、正確さは保証できません。あくまでも浜田光夫さんファン目線です。

    浜田光曠(新人)とクレジットされています。

    久美子(吉永小百合さん)は母に「三川くんがお人形の衣装を取りに来るからお裁縫仕上げておいてね」と託けて速記学校へ行く。
    所変わって、学校。稽古に励む部員たち。浜田光夫さんが出てくるまで勿体ぶるような演出(浜田光夫さんを心待ちにしていた私がそう感じただけかしら?)。
    女王様のお人形を操る女の子と、それに答える男の子のお人形を持つ浜田光夫さん。王子様かな?「とんでもない!」「はい、お出来になります。」等の口調から、家来とも考えられるかな?

    久美子と三川くんが電話で話している。速記学校だから行けない久美子に「しかし女王様が来なくちゃ練習にならないよ」

    松波家を訪ねる三川くん。「ごめんください!三川です!○○高校の」(聞き取れなかった。)
    お母さんが出てくる。お人形のことをすっかり忘れていた事を告げ、今でなくちゃダメかと問う。三上君は「いいんです。」と答える。
    三上君の持っている人形を見た久美子母から「面白い人形ね。」と言われ、「今度部員9名でキャンプへ行ってそこで人形劇をするんです。その時に使うんです。」と嬉しそうに話す。キャンプの件を知らなかった久美子母は驚いて「それには久美子も行くんでしょうか。」と聞くが三川君は「松波君も行かないと!」とあっけらかんとしている。失礼します、と帰って行く。門の横に柿の木がある。落ちている柿の実を拾い、ポイと投げる。

    喜多見駅。柿の実のついた枝を持った三川君が立っている。
    「ひとりはひとり 夕暮れに なぜ待つ人を 覚えたか」と人形で歌っている。
    「そこで何をしているのか」という声に振り向くと、人形を手に久美子が笑っている。人形同士で劇のやり取りをする。
    「衣装、出来てなかったぜ。これもらっちゃった。」と嬉しそうに柿のついた枝を見せる。
    「じゃあ家まで送ってもらおうかな。」と言う久美子に「チェッ、ちゃっかりだな!」
    歩きながら「三上君がセンチになるのも無理ないな。」などとお話をする。


    以上が浜田光夫さん出演シーンでした。


    浜田さん出演シーンではないので割愛しましたが、その後、久美子も人形劇キャンプに参加の許しをもらい張りきってお稽古に参加します。

    後に多くの浜田光夫さん出演映画を手掛けられる森永健次郎監督作品一作目。日活に正式に入社して一作目。吉永小百合さんとコンビを組むのは「ガラスの中の少女」に次いで二作目。浜田光夫さん研究において欠かせない作品ですね。
    真っ直ぐで純情な高校生がぴったりです。浜田さんも小百合さんもリアル高校生ですものね。
    浜田さんご本人が出演映画を回想するていの1962年近代映画の記事では、この映画が楽しかったのは森永健次郎監督が高校生という下地を自由に引き出して下さったせいかもしれない、と語られています。

    ホームドラマということになっておりますが、封建的な両親とそれに反抗する三姉妹、という構図で、より健康的な新しい時代の幕開けを感じられました。途中までは。と、言いますのも、
    何よりも研究を第一に考え家庭を顧みない父のせいで母は内職。次女の職場である製薬会社から良い待遇で働かないかと父にお声がかかるが相談もなしに断る始末。家計は苦しいが、なにひとつ文句も言わず父に従う母。そんな父への反発から次女はお酒に酔った勢いで全ての不満を父にぶつける。それで気付かされた父は、考えを改めより利益の得られる職に転じることを妻に話す。それを隣の部屋で漏れ聞き、涙を流す長女と次女。その気持ちだけで充分だと元の生活を望む…
    という、結局元さやで今までのあれこれ何だったの…?という結末が残念でした。時代と逆行していることを美化されてもねぇ…。
    「青い山脈」を読み、感動した直後だからというのもあるかもしれませんが。


    浜田光夫さんと吉永小百合さんだけでなく、三姉妹それぞれの恋も素敵でした。次女と三女は恋と言えるほどではありませんが。
    長女の香月美奈子さんは梅野泰靖さんと、次女の沢阿由美さんは沢本忠雄さんと仲良し。隣のおうちに住む幼馴染の沢本さんが可愛いんですよ!可愛いと言えば、ベレー帽をかぶる小百合さんもとびきり可愛いです。

    浜田光夫さんは二作目とは思えぬほどの安定感ですがまだ初々しさもあり。もちろん可愛いですよ!

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