風と樹と空と
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配給:日活
公開:1964.7.12
監督:松尾昭典
脚本:三木克巳
共演:吉永小百合、和田浩治、安田道代、平山こはる、枡谷一政、十朱幸代、田代みどり、川地民夫
浜田光夫さんの役名:手塚新二郎
♥ ストーリー
田舎から上京してお手伝いさんとして働く多喜子(吉永小百合さん)を中心に繰り広げられる青春群像劇。
浜田光夫さんは一緒に上京する同級生、手塚新二郎。
♥ 好きなシーン
多喜子(吉永小百合さん)、新二郎(浜田光夫さん)、たかやん(和田浩治さん)、かねちゃん(安田道代さん)、信子(平山こはるさん)、黒ちゃん(枡谷一政さん)の6人は上京するため汽車に乗った。
多喜子は高校時代、たかやんが好きだったが、たかやんは信子と付き合い始めた。今度は黒ちゃんと仲良くする多喜子。そんな多喜子を見て複雑な表情の新二郎。出たー!浜田光夫さんの片思いパターン!やったー!
一行は上野駅に到着。各々お迎えに来てくれた方と挨拶する。ちなみに新二郎くんは、工場に就職します。「てづかすんずろうです。」訛りすぎ可愛い!!!!!♡
みんなけっぱろうね!月に一度は会おうね!←こういう同郷の友達うらやま~
多喜ちゃんのお迎えに来るはずのばあやが来ない。いち早く心配して声かける新二郎くん優しい!「ばあやさん来ないの?住所わかってんの?」
「沢田多喜子」とプラカードを持った青年が。お手伝い先のお家の長男の三郎(川地民夫さん)だ。多喜ちゃんは三郎に腕を組まれ颯爽と歩いて行く。そんな多喜ちゃんを心配そうに見る新二郎の表情が良い♡
☆+.°
同郷メンバーで久々の再会。日比谷公園で待ち合わせ。
一番乗りだった多喜ちゃんの背後から「よ!!!」と驚かせる新ちゃん。
「多喜ちゃん、すっかり都会風なお嬢さんになってまったなァ。俺違う人か思ってしばらくためらってたんじゃ。」
「ためらったにしては乱暴ね。レディはもっと親切に扱うものですよ。」
「着るものも違ったら口の利き方まで違ってくるんだな。“レディはもっと親切に扱うものですよ。”」←口真似wwww
月賦で買った新しいスーツに身を包む新二郎。「いいべ?」と見せびらかす新二郎に「何その赤いネクタイ!」とつっこむ多喜ちゃん。軽快なやりとりがおもしろい。
お手伝い先の息子さんの話を聞いて複雑そうな表情の新ちゃん♡
かねちゃんも来て、多喜子を「わ!!!」と驚かす。驚くと蹴りを入れる癖のある多喜子は新ちゃんを思いっきり蹴ります(笑)
ごめんね~と謝る多喜子とかね子に「いいのいいの。」
6人は黒ちゃんの車で羽田空港へ遊びに来ますが、多喜ちゃんは黒ちゃん黒ちゃんとはしゃいでいます。そんな光景に面白くない新二郎。
あれ?私、ジェラってるところばかりキャプチャとってるwww浜田光夫さんのジェラる表情は大好物です(*´з`)♡
多喜ちゃんは信子とガールズトーク。たかやんとの恋の進展について。それについて行く新ちゃん(笑)。後学のために為に許す、と聞いていたことを許されます(笑)。月給2万5千円になるまでおあずけして、たかやんは頑張っているという話に、「涙ぐましいその努力…。」
たかやんったら見かけによらず狼さん♡♡♡
飛行機の真似してはしゃぐ和田浩治さんが可愛すぎて、空港に行く度に思い出す!
☆+.°
たかやん信子の結婚お祝いの席。新婚の二人の発言にいちいち妬ける新二郎くん(笑)。
新「ちきしょーー!」多喜「大きな声出すんじゃねってば!」
新「ちきしょ~」多喜「いちいち妬けるんでねえの!」
多喜ちゃんがちゃんとたしなめてくれます。
新「ちきしょー、喋ることまで同じだ!」も入れると、3回もちきしょーって言ってるよ(笑)。
新二郎、多喜子、たかやん、信子4人でテーブルを囲み話すシーンの交互にアップになるカメラワークが好きすぎる。
「二人きりで結婚式したんだって。」
「結婚式なんて!区役所さ届けに行っただけよ。」
信子の東京の叔母さんが付き合っていることを理解してくれず半ば家出同然で結婚した、自分の親も援助はしてくれないとたかやんは話す。
たかやん「仕方ねえよな、自分の好きなことやってんだから。そうスムーズにはいかねえてばよ。」
新二郎「…んだよな。おらだって……。」
多喜子「あら、新ちゃんも恋愛でもしてんの?」
新二郎「おらのはそんなんじゃねえよ。」
新ちゃん何かあったみたい………
黒ちゃんは東京で出会った恋人(山本陽子さん)を連れてきます。この時の多喜子を気にする新二郎くんの表情よ!
かねちゃんは電報のみで欠席。
すっかり酔っぱらう新二郎くん。可愛い!一人は寂しいな、とやたらと多喜ちゃんに絡んでる。
そして今度は多喜ちゃんが酔っ払う。新二郎くんはすっかり醒めている。小百合さんの酔った演技が可愛すぎる!!!!横で困ってる新二郎くんも可愛いいいいいいいいいいいい!!!
この表情可愛すぎませんか。黒目がちすぎませんか。愛くるしいわぁぁ♡
そして外へ飛び出した多喜ちゃんを追って二人きりに。ここも良いシーンなのよ。
帰ろうとなだめるが、フランスに行くんだ、と言い出す多喜ちゃん。
「くっついてくよ。」
「いいでば。」
「いや、行く。」
「どうして?」
「多喜ちゃんがいい気持ちっこなんだば、無理に連れて帰りはしねえじゃ。」
「ごめんね、酔っ払ってまって。みっともねえね。」
「いや、可愛いよ。」
「アハハハ!ふざけちゃいかんよ!アハハハ!」
「俺はね、多喜ちゃん。」
「なんでしゅか?」
「……。」
「用がないなら行きますよ。」
タクシーに乗せ、かねちゃんのお家に送ってあげるのです。優男~!翌朝、かねちゃんから事の経緯を聞いた多喜ちゃんはようやく新二郎くんの優しさ、自分への愛情に気が付きます。
☆+.°
奥様と出掛けた百貨店で偶然新二郎に会う。
ようやく思いが通じ合う。かと思いきや、新二郎は家出してきた妹(田代みどりさん)を帰すと同時に、自分も田舎に帰るという。 「今夜連れて帰るべと思ってる。そのまま向こうに居るべと思ってるんだ。おら、東京さ、むいてねえんだ…。」
かねてから会社の方針に納得できなかったが、機械に巻き込まれてしまった同僚への会社の解せない応対、次長に怒鳴られたこと、積もり積もっていたのですね。お母さんも帰ってきてほしいって言ってるし…。
「多喜ちゃんが…好きなんだけど。仮に多喜ちゃんがOKしてくれても、歳も同じだし所帯を構えていける収入を取るのはこの先何年かかるかわかんねえ。そうしてるうちに多喜ちゃんは年を取ってバスに乗り遅れるかもしれねえべ。だからこれからは恋愛や結婚の対象として多喜ちゃんを見るのはきっぱと辞めて友達として、多喜ちゃんが幸せな人生行路を辿るように陰ながら祈ることにするべって。」
「私がバスに乗り遅れようと、余計なお世話よ!」
「でもしょうがねんだ。オラの割りきった気持ちはもう話してまったし、もうこれからはもたもたして迷惑をかけることは絶対にない。それどころか、ま、今はおめえにしてもまだ早いと思うけど、恋人ができたら、オラもオラの分に応じた援助をしたいと思うよ。」
「心強いじゃ、そったら男の友達…。新ちゃんならきっとそんな友達になれそうだわ。」
☆+.°
お見送りにも行かない!という多喜ちゃんだったが、やっぱり行く!と急いで上野駅へ。しかし、間に合わない。
「誰もお見送り来てくれなかったのぉ。」と言う妹に、
「いいんだよ。みんなだんだん東京の人さなっていくんだよ。自分の生活を支えていくだけで精一杯の。」と新二郎。そうなんだよね。大人になっていくんだよね。この時の表情も良いでしょう?
多喜ちゃんの足取りはだんだんと強くなる。
「終」
青春の明るく楽しいお話かと思いきや、田舎から都会の社会に出た若者の現実的なお話で、とても良いですね。
大学生の川地民夫さんと胸の手術をした十朱幸代さんカップル、一緒に上京した和田浩治さんと平山こはるさんカップル。それぞれ困難に直面するも二人で頑張る道を選択する。それを見ていた多喜ちゃん。ようやく新二郎の優しさ・愛情に気付き両想いかというところで、新二郎の気持は別の方向へ。
浜離宮で打ちあけられる、新二郎の別離の言葉。そんなこと関係ない!それでもしんちゃんについて行く!と言おうと思えば言える子だと思うんですよ、多喜ちゃんって。「余計なお世話よ!」と言ってますし。それでも新二郎は多喜ちゃんの意思は聞き入れずに、もう決めたこととして話すわけです。
新ちゃんが真剣に考えて出した、優しい新ちゃんならではの答えなのかな。好きだけど、現実問題や相手のことを思うと、好きだと言う気持ちだけでは突っ走れない。
そうだけど…。ここで、それでもオラは多喜ちゃんと一緒にいたい!けっぱるからついてきてくれないか!くらいの心意気を見せてほしいものです。優しすぎて頼りない、不安になる、と見切りをつけてしまうよ。好きだという気持ちも伝えず、勝手に一人で別れまで決めて、いっぺんに話すなんて、ずるいよ。
優しくて涙が出ちゃう。新ちゃん、私を嫁っこにもらってくれねかな…とかねちゃんばりに思っていた私ですが(笑)、2018年7月、受ける印象が大きく変わったので感想も書き換えました。
♥ロケ地
風と樹と空と ロケ地